主訴
70歳男性の症例です。
「朝起きると右の腰から背中にかけて“ビビーン”と響くような痛みが走る」とご来院されました。
整形外科ではレントゲン、MRIに異常なく、「加齢による筋緊張」と言われたとのことです。
近所の整骨院に通っていたものの、なかなか改善せず不安を感じておられました。
お身体の状態
立位姿勢を横から確認すると、体が弓なりに反るような姿勢(胸腰椎過前弯)になっており、常に胸腰背部の筋肉が張っている状態でした。
また、左右のバランスを見ると右脚での支えが不安定で、お尻の上部の筋肉(殿筋上部)を過剰に使いすぎている一方、下部(殿筋下部)はうまく働かず萎縮していました。
この筋肉バランスの崩れにより、腰から背中の筋肉が引っ張られ、右腰背部の痛みを引き起こしたと考えました。
施術内容
まずは、硬くなっている筋肉を緩める「筋膜リリース」を実施。
そのうえで、働きが弱くなっている筋肉を使えるようにする「運動療法」を行いました。
また、施術と並行して、正しい姿勢の意識づけや立ち方・歩き方の指導も行い、再発しにくい身体づくりをサポートしました。
経過と結果
1ヶ月目
初回の施術後から「腰の張りが少し楽になった」と変化が見られました。
殿筋上部の過剰な緊張を緩めることで、腰背部の張り感が軽減。
同時に、足部・股関節・肩甲骨周囲などの全身で硬くなっていた“ガンバリ筋”を丁寧にゆるめることで、動きやすい身体づくりを図りました。
この段階では、まだ朝の起き上がり時に「ビビーン」とした痛みが残るものの、立ち上がりの動作が少しずつスムーズになってきたとのことでした。
2ヶ月目
殿筋下部の働きが回復しはじめ、立位姿勢における体幹軸の安定性が向上。
「朝の痛みが弱くなって、動き出しが楽になってきた」とのご報告もありました。
この時期からは、殿部や体幹に加えて、大腿部・ふくらはぎ・足部・足趾・肩甲骨周囲の“サボリ筋”を活性化させるエクササイズを重点的に実施。
これにより、身体全体の筋バランスが整い、腰への負担が軽減していきました。
3ヶ月目
朝の痛みはほとんど感じない状態にまで改善し、「朝起きるときもスッと動けるようになった」とご報告をいただきました。
この時期には、より日常動作に近い立位でのエクササイズを取り入れ、動作の中でも身体を上手に使えるようトレーニングを進めました。
その結果、自然なS字カーブを保った立位姿勢が定着し、腰背部の過剰な緊張も消失。
「痛みがなくなったことで精神的なストレスがなくなり、明るく前向きな気持ちになった」「趣味であるウォーキングも楽しめるようになった」と大変嬉しいお言葉をいただいております。
現在は、再発予防とコンディション維持のために月1回のメンテナンスを継続されています。
考察
本症例のように、痛みを訴える部位(腰)が、真の原因ではないケースは少なくありません。
実際には、お尻や下肢の筋バランスの乱れが、痛みと関係していることが多々あります。
したがって、痛みのある局所のみにアプローチするのではなく、筋膜、姿勢、動作といった全身のつながりを整えることで、無理のない改善を目指すことが可能です。





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